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Channel: 営業せきやんの憂鬱ブログ
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永田町異聞風聞

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リベラルが“保守反動”になった理由

 社民党の福島瑞穂は、反原発の旗を掲げて参議院議員となった元俳優の山本太郎と会談、
 
「リベラル勢力結集の要となりたい」
と述べました。
このとき社民党の所属議員は衆院で2名、参院で3名で、山本が「結集」してもそれが4名になるだけです。
それに対して議員定数は、衆院が480名、参院が242名です。
 
この会談のあとに福島は選挙の責任をとって党首を辞任しましたが、
目標と現実のすさまじいギャップを考えれば10年間よく重責に耐えたともいえます。
 
ところで、リベラル勢力はなぜ日本の政治からいなくなってしまったのでしょうか。
 
リベラルはリベラリズム(自由主義)の略で、その根底にあるのは自由や平等、人権などの近代的な価値に基づいてよりよい社会をつくっていこうとする理想主義です。
 
リベラルが退潮したいちばんの理由は、
その思想が陳腐化したからではなく、
理想の多くが実現してしまったからともー。
 
「いまの日本には真の自由や平等はない」
というひともいるでしょうが、
リベラリズムが成立したのは、権力者に不都合なことを書けば投獄や処刑され、
黒人が奴隷として使役され、女性には選挙権も結婚相手を選ぶ自由もなかった時代なのです。
 
リベラルが夢見た社会が実現するにつれて、理想の弊害が目立つようになってきます。
 
こうして、過度な自由や平等、人権の行使が共同体の歴史や文化、紐帯を破壊しているという保守派の批判がちからを増してきます。
 
最近では共同体主義者(コミュニタリアン)と呼ばれる彼らは、近代以前の封建社会に戻せという暴論を唱えているのではなく、
リベラリズムの理想を受け入れたうえでその過剰を憂えているのです。
 
社会がリベラル化するにつれて、「いまのままでじゅうぶんだ」という穏健な保守派がマジョリティになるのは先進国に共通しています。
 
その一方で、少数派に追いやられたリベラルはより過激な理想を唱えるしかなくなります。
 
とはいえ、「革命」が熱く語られた時代もいまでは遠い過去になってしまいました。
 
“革命の理想”を実現したはずの旧ソ連や文化大革命下の中国の実態が明らかになるにつれて、夢は幻滅に変わってしまったからです。
 
こうした有為転変を経て、日本のリベラルはいま憲法護持、
TPP反対、
社会保障制度の「改悪」反対、
原発反対を唱えています。
 
こうしてみると、原発を除けば、リベラルの主張はほとんどが現状維持だということがわかります。
 
理想が実現してしまえば、その成果である現在を理想化するしかありません。
こうして夢を語れなくなったリベラルが保守反動となり、穏健な保守派が“ネオリベ的改革”を求める奇妙な逆転現象が生じたのです。
 
今回の参院選で、「リベラル勢力が結集」したのは日本共産党だったー。
この政党もいまでは共産主義革命の夢を語ろうとせず、「アメリカいいなりもうやめよう」という不思議な日本語のポスターをあちこちに張っています。
これは右翼・保守派の主張と同じですが、リベラルが反動になったのならなんの不思議もありません。
 
共産党と右翼団体が瓜二つになっていくことにこそ、「リベラルの現在」が象徴されているのでしょう。
 
以上
『週刊プレイボーイ』
  8月26日
発売号 記事
 

自民、「復権」に沸く派閥、実は「衰退」の兆候 ポスト安倍不在で存在感薄く

 
自民党の各派閥が「復権」に湧いている。
今夏の参院選で大勝し所属議員が増えたことで、
かつての活気を取り戻したかのようだ。
 
1日には最大派閥の町村派が長野県軽井沢町で5年ぶりの泊まりがけ研修会を開き、
2日には恒例だったゴルフ懇親も復活させる。
しかし、
安倍晋三に代わる「次期リーダー」候補を持たない各派閥には、確実に「衰退」の足音が忍び寄っている。
 
 町村派会長の町村信孝元官房長官は1日の研修会で、会場となったホテルの大宴会場に集まった約70人の出席議員を前に、首相を後押しするよう訴えた。
 
 町村派は、福田赳夫、森喜朗、小泉純一郎、福田康夫各氏、そして安倍を総理に据えてきた名門派閥だ。
野党時代は所属議員約50人にとどまっていたが、第2次安倍内閣発足、7月の参院選を経て一気に88人に膨れあがった。
 
 町村は周囲に「過去最大になった」と胸を張る。
8月29日の総会では、各派閥による予算獲得争いを懸念する声を逆手にとり、新人議員に「どんどん『族議員』になってほしい」と発破をかけたほどだ。
 
 しかし、水面下では別の事態が進行している。
 
「安倍がさらに会員数を増やしたいようで、
新人に電話をかけている」
 
 同派関係者はこう語る。総理に近い議員には「事実上のオーナーだった森に反発して脱会した“安倍シンパ”を迎え入れ、100人態勢にすればよい」
との声もある。
 
「安倍派」への看板の掛け替えだ。
 
7月の参院選後の新人争奪戦も、「総裁派閥」である町村派が最大の10人を獲得したのに対し、他派は数人止まり。それでも公然とした町村派批判が起きないのは、他派に「ポスト安倍」候補が見あたらないという事情がある。
 
第2派閥の額賀派(54人)では、会長の額賀福志郎元財務相を総裁に推す声は聞かれず、
「竹下登の弟、亘(わたる)・党組織運動本部長か小渕恵三の二女、優子財務副大臣を会長にして
『竹下派』や『小渕派』を復活したらいい」との声も漏れる。
 
第3派閥の岸田派(42人)は伝統的に「ハト派」の色が強く、安倍の路線とはもともと対極にある。
 
 
 
だが、会長の岸田文雄外相に加え小野寺五(いつ)典(のり)防衛相が入閣している状況では、
独自色を打ち出すことは難しい。
 
 政治改革で「カネ」や「票」を割り振る機能を失った派閥に残されたのは「ポスト」の分配くらいだが、
9月の党役員任期切れに伴う内閣改造は見送られる見通しで、
いくら「復権」を印象づけようとしても存在感を示せない。
 額賀派の中堅
「派閥にいても、パーティー券販売の割り当てなど負担の方が多い。強いてメリットを挙げれば情報交換することくらいか」
 

    シリアやエジプトの教訓
 今また大新聞が権力とグルの罪   
     日刊ゲンダイ2013/8/31
 
暴走した権力は国民を殺害する。
法による秩序が当たり前の時代になっても、
政治指導者による殺戮は変わらない。
 
ケリー米国務長官が1429人を化学兵器で殺害したと断定したシリアのアサド政権、
モルシ前大統領支持派の排除に治安部隊を投入して900人超の命を奪ったエジプトの暫定政権――。
国民の怒りの声は、武力でやすやすとかき消されるのだ。
 
多くの日本人は、権力の虐殺をアラブ特有の事態と捉えているのかもしれない。

イラクの独裁者だったフセインも、国民を大量に虐殺した。
中東では珍しくないし、日本ではあり得ない出来事だ、と。
残念ながら、国民への武力行使は、はるか遠い国の不幸な出来事ではない。
 
安倍は、改憲という手続きを経ずに、
解釈の変更だけで集団的自衛権の行使容認に突き進もうとしている。

麻生副総理が「あのやり方をマネできないか」
と言っていたナチスの手法。
知らないうちに変わっていた、というヤツだ。
 
ねじれが解消され、衆参ともに自公が押さえる国会は何も出来ない。
事務方が「これはひどい」と危機感を持ったとしても、
臨時国会で成立する秘密保全法でがんじがらめだ。
憲法解釈は、いとも簡単に変えられてしまう。
軍国化に大きく舵を切るのだ。
 
そのときになって国民が、
「安倍に対抗しよう」と立ち上がっても遅い。
自衛隊や警察の武力で、国民は殺されてしまう。
これがシリアやエジプトの教訓だ。
 
◆陸上自衛隊に治安出動を要請していた岸
 
実際に日本でも、権力にあらがった市民が殺されている。
60年安保のときだ。
1960年5月19日から20日にかけて、
岸信介政権は、デモ隊が国会を取り囲む中、
警官隊はもちろん、右翼や暴力団も国会に入れて反対派を抑え、
自民党単独で新安保条約を可決させた。
やりたい放題やったのだ。
 
これに国民の怒りが爆発した。

学生や労組、学者、作家、婦人団体、宗教団体など、
あらゆる人たちが「岸打倒」を目指して立ち上がる。
国会へのデモは連日続き、
新聞も岸の退陣と総選挙を求める論陣を張った。
そして6月15日、国会議事堂の正門前で
デモ隊と警官隊が衝突。

丸腰の学生は警棒で次々と殴り倒された。
あたりは血の海になり、現場をリポートしていたラジオのアナウンサーまで
警官に頭を殴られている。

東大生だった樺美智子が亡くなったのも、この日だ。
 
岸は当時、治安強化のために陸上自衛隊の出動も要請している。
防衛庁長官の赤城宗徳が
「同胞を撃つことはできない」
と拒否しなければ、
最悪の事態になっていた。
 
治安出動に踏み切る構えを見せた岸。

今、権力を握っているのは、そんな祖父を尊敬してやまない安倍である。
 
「国民には政府への抵抗権があります。
近代憲法は、みな、この権利を認めている。
それを警察や自衛隊に加え、右翼や暴力団まで使って抑え込もうとしたのが岸であり、その孫が首相となり、隣国まで刺激している。なんとも恐ろしい状況です」(政治評論家・本澤二郎)
 
安倍は
「暴力に訴え、無辜(こ)の人命を奪い、
人道状況の悪化を顧みない」
とシリアのアサド政権を批判した。
 
それなら岸も、同じように批判されて当然である。
 
学生運動
政治闘争
知識層も消失した日本
 
もっとも、国民の猛烈な反対運動もむなしく、
安保条約は成立した。

武力を振りかざしながら好き勝手にやり始めたら、権力は止められない。
暴走を続けるのだ。

どんなに抵抗、反抗しても無力である。
それに今は、60年安保当時のようなエネルギーもない。
闘争を支えた共産主義者同盟(ブント)の創設者のひとり、
政治評論家の森田実が言う。
「60年安保当時は3つの大きなパワーがありました。
学生運動と労組の政治闘争、
それに国の将来を憂えるインテリ層です。
でも、それらはすべてなくなりました。

大学生はいても学生運動はない。
労組は企業内の経済闘争だけで、国民的な政治要求はしなくなった。
政治を批判して言論をリードするような知識人もいません。
今の日本は、当時の日本とまったく違う国です。
国民にとっては、選挙だけが意思表示できる唯一の手段となってしまった。
その選挙でさえ、
この政治状況からすると3年間はない。
 
安倍政権はやりたい放題でしょう。
憲法96条を変えるには国民投票が必要だから、
われわれも『ノー』を
突き付けられます。

でも、解釈改憲なら強引にやれる。
昔だったら国会突入デモに発展しておかしくないが、
今は静かなものです」
 
戦没者追悼式典で
「侵略戦争への反省」と「不戦の誓い」を口にせず、
法制局長官をシンパに代え、
年内には日本版NSC(国家安全保障会議)を発足させる。
その先は改憲だ。

国民の自由を制限し、国防軍を創設するという。
岸の何倍も恐ろしい男である。

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