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g8の課題

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                              “租税回避” 国家と企業の攻防

5岡田真理紗記者
今、グローバル企業による国境を越えた税逃れ「租税回避」が、先進各国の間で問題となっています。
失われる税収は毎年世界で数十兆円に上るともいわれています。
国家の枠組みにとらわれないグローバル企業に、各国の税務当局が協調して対抗しようという動きも出てきています。
税を巡る国家とグローバル企業の攻防の最前線について、社会部岡田真理紗記者が解説します。

相次ぐ企業の“租税回避”

今月、世界最大のIT企業、アップルのティム・クックCEOが、アメリカ議会に姿を見せました。
税金を適切に納めていないとして公聴会に呼ばれたのです。
公聴会では「10兆円を超える資産を税率の低い国に蓄積し課税を逃れている」と指摘されました。
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こうした「租税回避」が問題視されたのは、アップルだけではありません。
イギリスでは、去年11月、大手コーヒーチェーンのスターバックスやIT企業のアマゾン、グーグルの幹部が議会で追及を受けました。
いずれもイギリス国内で上げた利益を意図的に税率の低い国に移したのではないかと疑われたのです。
このうち、スターバックスのイギリス法人は、税率の低いオランダやスイスのグループ会社との取り引きが問題にされました。
イギリス法人は、オランダにあるヨーロッパ本社にロゴマークなどの使用権として売り上げの約6%を納めていました。
さらにコーヒー豆の仕入れ先であるスイスの会社にも、原価に約20%を乗せて支払っていました。
こうすることでイギリス法人の利益を圧縮し、イギリスでの法人税を免れたとみられたのです。
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不公平への怒り

こうしたグローバル企業による「租税回避」に市民の不満が募っています。
イギリスでは、スターバックスに対して「税金を払え」と訴えるデモが行われました。
デモを呼びかけた市民団体のメンバー、スティーブン・リードさん(27)は、政府の福祉予算が削られるなか、大企業が税金を納めていないことに憤りを感じたといいます。
リードさんは「イギリスでは若い人の失業率が20%にも上っています。政府はお金がないから何もできないと説明していますが、大企業が税金を払っていないだけだと気づいたのです」と話していました。
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租税回避の問題に詳しいイギリスの経済学者、ジョン・クリステンセンさんは「政府はグローバル企業に課税できないので、多くの税収を失い、消費税などの税率を上げざるをえなくなっている。低所得者や中間層の税負担が重くなる一方、大企業は一般市民が納めた税金で提供されるさまざまな公共サービスを無料で使っている」と指摘します。
国境を越えて自由に資金を移動させることができるグローバル企業や限られた富裕層だけが税を逃れ、国家の枠に縛られる一般市民の負担が増え続けることになると警告しているのです。
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なぜ“租税回避”か

「租税回避」はなぜ行われるのか。
企業から見れば税金は「コスト」であり、税負担を減らすことが株主の利益になるからだという指摘があります。
グローバル企業の多くは、会計事務所などの助言を得て、計画的に税負担を抑えるための戦略「タックスプランニング」を実行しているといいます。
税負担を減らし、企業価値を高めることが経営者の手腕と考えられているのです。
中には「グローバル企業は税を負担する代わりに新たな技術を開発したり雇用を生み出したりして社会に貢献している」と主張する専門家もいます。

各国協調で対抗

しかし、グローバル企業の「租税回避」が相次げば、税金で支えられている国家の存在を脅かしかねません。
各国は対抗策を打ち出そうとしています。
その最前線となっているのが、日本をはじめ、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、中国など9か国が加盟する組織JITSIC(国際タックスシェルター情報センター)です。
ワシントンとロンドンに拠点を置き、各国の税務当局のエキスパートが、日々、国際的な租税回避の事例を解明し、課税の可能性を検討しています。
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ロンドンでは、国税庁から派遣された今成剛さんが、日本の企業が行った不審な海外送金を追っていました。
この企業は、コンサルティング料としてヨーロッパの法人に多額の送金をしていました。
これによって利益が圧縮され、日本で納める税金が少なくなりましたが、国税庁は租税回避なのか判断できませんでした。
送金先の国は法人税率が高く、租税回避に使われた例がなかったからです。
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ところが、今成さんがJITSICで各国の担当者と検証を進めると、送金先のヨーロッパの国で課税が行われていないことが分かりました。
送金を受けた法人は「事業組合」という特殊な形態をとっていて、この国の税制では非課税だったのです。
さらに、この事業組合から税金のない、いわゆるタックスヘイブンの複数の企業に配当として資金が送られていたことも分かりました。
これらの企業は、日本の企業の子会社であることが判明し、多額の海外送金は、日本で得た利益をタックスヘイブンの子会社に移すことが目的だった疑いが強まったのです。
これを受けて国税庁は調査を開始し、コンサルティング料の支払いには実態がないことを突き止め、うその申告をしていたとして追徴課税しました。
租税回避には「もはや一国だけでは対抗できない」として各国が協調しているのです。
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続く税の攻防

租税回避は各国の税制の“抜け穴”を利用しているため、課税するのが難しいケースがほとんどです。
各国は、税制の面でも足並みをそろえ、租税回避に利用される“抜け穴”をふさごうとしています。
来月イギリスで開かれるG8=主要国首脳会議では、租税回避を重要課題として取り上げることにしています。
これに伴い、OECD=経済協力開発機構は、租税回避を防ぐため今後およそ2年間かけて、ある程度、統一的な課税のルールを作っていく「行動計画」を発表することにしています。
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その一方で、グローバル企業を自国にとどめようと、各国の間で法人税率を引き下げる動きも強まっています。
イギリスは、2年後に先進国では最低レベルの20%にまで税率を引き下げることを表明しました。
日本でも、高い法人税率が競争力をそいでいるとして、企業側から税率引き下げの要求が強くなっています。
今月22日には、東京都の猪瀬知事が外国企業の法人税の実効税率を20%程度に下げる特区の構想を表明しています。
税法が専門の青山学院大学の三木義一教授は「税率の引き下げ競争は財政難の各国をかえって苦しめることになるし、将来の一般市民の税負担を重くすることにつながりかねない」と警鐘を鳴らします。
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国境を越えた経済活動が当たり前になった今、私たちはどうやって新しい時代にあった税負担のルールを作り、公平な社会を実現するかという難しい問いに直面しています。

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