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6月2日になって、またあのマイケル・グリーンが永田町にやってきた。
2012年以来、だいたい半期に一度のペースで日本にやってきている。
2012年暮れ以来、自らが仕掛けた「リベラル勢力殲滅と日米同盟強化」という政治工作の現場指導におとずれているのだ。

 今年も連休中は塩崎恭久・自民党衆議院議員とも面会するなど、
連休訪米する日本の国会議員と政局について情報交換を繰り返していたとみられる。

 今回はグリーンは、
5月下旬に韓国で開催されていた「中央日報・CSIS年次フォーラム」の帰りがけに日本に立ち寄った形だ。
韓国はさすがにアメリカと中国の両天秤での外交をやっているが日本はアメリカに言われたとおりに対中包囲網形成で外務省中心に日米韓の連携を目指すようだ。
支持層のネット右翼たちと違って安倍晋三は
本当は親韓政治家であるからこれに従っている。

 グリーンが今回訪問したのは、わかっている範囲では勉強会に参加した、TPP推進派のグローバリスト政治家の西村康稔・内閣府副大臣の勉強会「活力研」で講演を行っている。
西村康稔以外では、
自民党の関よしひろ衆議院議員、
やまだ賢司衆議院議員
らと面会していたようだ。

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 関議員はグリーンとはリーダーシップ論の関係で付き合いがあるとフェイスブックで書いている。
グリーンは、ジョゼフ・ナイ(ハーヴァード大学教授)のように現在はジョージタウン大学でリーダーシップ論の講義をしている。
しかし、このようなヤクザまがいの人物の語るリーダーシップ論というのは、「親分子分の作り方」という類のものだろう。
しかし、それが右翼体質の自民党議員には魅力的なのかもしれない。

 自民党議員や民主党の盟友ともいうべき議員たちとの情報交換(グリーンが仕掛ける政界再編の現場指揮)を行ったのは当然だろうが、
今回の訪日で注目されるのは公明党の山口那津男代表ら複数の公明党議員との面会が行われたことだ。

 時事通信とTBSは次のように報道している。
TBS報道はキャンベルのみの動向を報じているが写真で示すように
グリーンも同行している。
ほんとうに重要なのはグリーンの動向である。
だんだん顔を見てマイケル・グリーンをすぐに判別できる日本の知識人層が増えてきたと思う。

  公明・山口代表と米前国務次官補、集団的自衛権で会談

TBS系(JNN) 6月2日(月)13時12分配信

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 関係者によりますと、キャンベル氏らは日米防衛協力の指針いわゆるガイドラインの年内の見直しに向けて、
「行使容認の方向性を含めた閣議決定は早い方が望ましい」
という意向を伝えましたが、議論は平行線をたどった模様です。

 キャンベル氏らの狙いは何なのか?

 安倍総理、菅官房長官に近く、政権発足後、6回もアメリカを訪れている自民党の河井克行・前外務委員長は・・・

 先月も訪米した河井氏によれば、アメリカ側は日本が集団的自衛権の行使容認を決めればより強い同盟関係を築けると期待する一方、ある「懸念」を抱いていたと言います。


 「本当にちゃんとやりたいなら、もっと周到に根回しするだろう、これはどういうことなのか・・・」(公明党幹部)


 また、オバマ政権が本当に今の国会中の閣議決定が望ましいと考えているのかどうかについても、
公明党内では疑問視する声が強く、自民、公明の信頼関係が揺らぎつつあります。(02日17:56)
http://news.tbs.co.jp/20140602/newseye/tbs_newseye2215669.html


 このようにメディアでは山口代表への訪問だけは報じたが、
実はグリーンらは自分たちジャパン・ハンドラーズと考えが近いと踏んだ公明党の若手議員3人会いに行っているのである

 その3人とは、公明党衆議院議員の
遠山清彦、
伊佐進一、
岡本三成
の3人である。
いずれも欧米大学に留学歴がある。
そして、この中でグリーンと東京大学とジョンズ・ホプキンス大学高等国際関係大学院(SAIS)で「同窓」であると自ら語る
伊佐進一議員はグリーンとの会談内容について次のようにツイッターで報告している。


 戦略国際問題研究所(CSIS)上級副所長のマイケル・グリーン氏と意見交換。
グリーン氏は、ブッシュ政権下での対日政策の立役者ですが、実は私とは日本の大学も米国の大学も一緒で、先輩と後輩の関係にあたります。


 強調していたのは、日本の政治における公明党の重要性。
他党は、支持団体が利益団体なので、その意見が強く反映され、考え方が偏らざるを得ない。
でも公明党は、生活者に目線をおいているので、最も国民の気持ちのわかる「空気のよめる」政党だとのこと。
米国の期待を感じました。
https://twitter.com/isashinichi/status/473435871853572098

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 このように伊佐議員はマイケル・グリーンが
「日本の政治における公明党の重要性」について語り、
「公明党は最も国民の気持ちのわかる空気の読める政党」だと褒めそやしたという。
しかし、グリーンは別の場所で次のようにも語ったことはすでに報道されている。
連休にワシントンで開催された会合での発言である。

 「公明党は邪魔するな」と同義=集団的自衛権の大統領発言-グリーン氏

 【ワシントン時事】マイケル・グリーン元米国家安全保障会議(NSC)アジア上級部長は28日、ワシントンで開かれた会合で、安倍晋三首相が目指す憲法解釈変更による集団的自衛権行使容認に対し、オバマ大統領が支持を明確にしたことは「首相の連立パートナー(の公明党)に、邪魔するなと言ったようなものだ」
と指摘した。

 グリーン氏は行使容認に賛成する立場から、「日本の国内政治の文脈で考えれば、大統領の支持はとても重要だ。(解釈変更に)機運を与え、日米防衛協力のための指針(ガイドライン)の見直しに役立つはずだ」
と、大統領発言を歓迎した。

 一方、グリーン氏は、大統領が沖縄県・尖閣諸島を日米安全保障条約の適用対象と明言したことに関し
「正直言って驚いた。大きなニュースだ」
と強調。対日防衛義務をめぐるオバマ政権幹部の発言が一貫性を欠き、日本に疑念を抱かせていたことが
「大統領にプレッシャーを与え、明確な発言を決断させたのだろう」と分析した。(2014/04/29-08:34)

http://www.jiji.com/jc/zc?k=201404/2014042900114&g=pol

要するに上の伊佐議員との面談内容とグリーンのワシントンでの発言を総合すると、
グリーンの真意は次のようになるとしか考えられない。


 「なあ、伊佐議員よ、公明党は空気が読める政党なのだろう?(その日の読売新聞朝刊を持ちながら)このように発行部数1000万の読売では集団的自衛権の限定容認に賛成が6割以上と世論調査の結果が出ているじゃないか。
公明党はいつまでも安倍首相に期待する国民の声を邪魔するようなことはやめろ。空気を読めよ」

 このように圧力をかけに来たのだ。
そのせいか、グリーンと面談する前の伊佐議員は、国会で次のように公明党の方針とはずれた
「行使容認論」を口走ったと報道されている。
記事は朝日新聞から。

 
公明議員「集団的自衛権行使認めていい」 委員会で発言
「朝日新聞」2014年6月2日23時59分

 公明党の伊佐進一衆院議員(大阪6区、当選1回)が2日の衆院安全保障、外務両委員会の連合審査会で、集団的自衛権の行使について「認めてもいいのではないか」と述べた。
公明は憲法解釈を変えて集団的自衛権を使えるようにすることに反対の立場で、審査会後、伊佐氏は
「言葉が足りなかった」と釈明した。

 伊佐氏は質問で
具体的に『確かにこういう場合は集団的自衛権がないとだめだ』となり、国民も理解していただけるのであれば、きちんとした手続きをとって認めてもいいのではないか」と発言した。

 審査会後、伊佐氏は朝日新聞の取材に「『きちんとした手続き』は、憲法改正による手続きをとるべきだと言いたかった」と説明。さらに、行使容認には
①集団的自衛権でなければ対応できない具体事例
②国民の理解
③憲法改正による手続きという「三つのハードルをあげたつもりだった」と語った。
また、「(集団的自衛権の)限定容認論といえど、憲法9条との整合性が取れない」とも述べ、従来の党の考え方と違いはないことを強調した。(岡村夏樹)

http://www.asahi.com/articles/ASG625FCSG62UTFK008.html

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 このように伊佐議員は国会での発言直後に前言撤回しているけれども、一時は容認論をほのめかすような発言をした。
遠山、伊佐、岡本の三人のうち、
グリーンに最も近いのが伊佐議員だ。
おそらく訪日前からグリーンとはこの問題を巡って何らかのやりとりが繰り返されていただろう。
それで国会でのあの発言になった。
そういうことだろう。

<与野党に広がるグリーン友の会、あるいは対米翼賛会>

 ここで言っておきたいのは伊佐議員がグリーンにすべて同じ見解であるかどうかということではない。
伊佐議員にはわたしにここまで決めつけられて不快な部分もあるに違いない。その内心はお察しする。

 ここで重要なのは、アメリカのジャパン・ハンドラーズが、どのようにしてアメリカの防衛ロビーが求める政策を日本政府に呑ませているのか、そういう具体的な方法がわかるからである。

 かつて、イラクへの自衛艦派遣の是非が議論された2000年代前半には、派兵を求めてアメリカのデイヴィッド・アッシャーというジャパンハンドラーが、
国会議員会館の議員たちに働きかけて回ったという話がある。アッシャーは、日本経済の研究が専門の知日派だがこういう生臭いロビー活動をやっていたのだ。
その他、
ケビン・メア元日本部長
アーミテージ元国務副長官
ら、露骨に防衛産業の代理人を名乗って行動する元政府関係者もいる。

 マイケル・グリーンらジャパン・ハンドラーズはどうやって内通者を増やしていくか。

 アメリカ留学にやってきた日本の国会議員や官僚、あるいは議員を目指している青年たちに接近し、交友関係を築き、
「友情」を築き上げた後、実際に彼らが政治家などになった場合には議員会館を「友情」を餌に訪問して、
アメリカ政府(というよりはその一部の防衛産業の思惑)やアジアにおけるアメリカの国益について、噛んで含めて聞かせるのだ。

 ところが、「友情」とは言うものの、日本の若者たちがアメリカに留学するとき、「単位を与える側」と「もらう側」という従属関係が存在している。
しかも、彼らが学ぶのはアメリカ流の国際関係論や経営学ときている。
要するにアメリカ留学、特にリーダーシップコースというのは、紛れも無い「洗脳」(brain- washing)であるのだ。

 あるサイトにこんな風に書かれていた。

 どんなに護憲論者であろうと、ワシントンに行くと日本国憲法の9条論戦を挑まれ、
改憲論者のロジックに勝てず、改憲論となるという。
少数派になりつつあった護憲論者はこうして米国留学を通して、いつの間にかどんどん失われていったのだろう。

http://t.co/a3w9OlwNyb

 そのとおりだと思う。

 これは、長島昭久のような国会議員の言動を見ればわかる。アメリカに洗脳されたことに気付くまもなく国会議員になって、
ひたすらアメリカの歓心を買うためだけに政治活動をやっている。
おそらく洗脳されている側には「上下関係」が「友情」というふうに映るのだろう
そこでまんまと利用されてしまう。

 マイケル・グリーンやジョゼフ・ナイといったジャパン・ハンドラーズは、
そういう自分の手駒を世界中に無数に作り上げている。
これがアメリカが覇権国で在り続ける理由だ。
中国はそういう「人材育成」ができていないから、日本の国会議員の弱みを握るためには、単純なハニートラップなどのやり方しか使えないのだろう。
アメリカは「ソフトパワー」というものを国家戦略に組み込んでいるから、そこが違う。
自発的にアメリカに親しみを持つ外国人を作り上げていくわけだ。

 スパイ、スパイとスパイ論をいう日本の言論人の多くは、
最も身近にある「アメリカのスパイ活動」について言わない。
中国やロシアのスパイの話ばかりだ。
あるいはエドワード・スノーデンの暴露について語るくらいだ。ウィキリークスで暴露された外交公電に書かれた
外務官僚の鳩山内閣への「裏切り」については語ろうともしない。
マイケル・グリーンの日本におけるスパイ活動についても批判しようともしない。
 おそらくそれは、彼ら自身がアメリカのまさにこのスパイたちから情報を貰ってしまってるからだろう。
情報提供者にむかって「お前はスパイだろう」とはいえない。
そうやって知らず知らずのうちに取り込まれていく。
しかし、目の前で光り輝く太陽から目をそらしてはいけない。
 
  マイケル・グリーンは日本に改憲させて憲法9条を奪い取り、アメリカの思うように日本を「地域的エージェント」として利用するための政治工作を仕掛けている。
日本がこれまで世界の戦争に関わる必要がなかったのは憲法9条を盾にアメリカの要求を拒絶するという、アメリカが日本に与えた平和憲法を逆手に取る戦略を取ってきたからだ。これは吉田茂元首相の功績である。
 
 しかし、いまやその戦略を見ぬいたジャパン・ハンドラーズは、自らが育てた親米派国会議員らをグループ化して、その戦略を崩しにかかってきている。
本来はこの攻勢をかわすために東アジア共同体の推進が必要なのだ。
今回の公明党への政治工作も、グリーンの「リベラル殲滅」の動きの一環だ。
 
 そうやってグリーンは親米派の政治家をコントロールしながら徐々に日本国憲法にヒビを入れていく活動を続けており、非常に危険だ。
グリーンのような政治工作員は本来は入国禁止にするべきなのだ。
「日本はスパイ天国」だと言われるが一番、大手を振って歩いているのはアメリカの工作員だ。
何も反米主義からそういうことを言っているわけではない。
 グリーンの戦略を暴くことが重要だ。
暴くことで対策も出てくる。
 
  
 これまで私は与野党内に広がる「グリーン友の会」の動向について以下の記事で報告してきた。
 2013年01月29日:とうとう出現した小泉進次郎グループ=「マイケル・グリーン友の会」(http://blog.livedoor.jp/bilderberg54/archives/23382168.html
2012年 12月 21日:超党派の「グリーン・グループ」(みどり会)に注目せよ
http://amesei.exblog.jp/17477761/
 今回、このグリーンを囲む集団には公明党の議員も含まれていることが具体的にわかった。
 参考までに3人の知米派国会議員の名前と経歴を以下に記しておく。
この暴露が彼らに対する抑止力になることをわずかながら期待したい。

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伊佐進一(大阪6区)
1974年 - 大阪府守口市に生まれる。
守口市立佐太小学校、洛南高等学校附属中学校、洛南高等学校、東京大学工学部航空宇宙工学科を卒業。
1997年 - 科学技術庁に入庁。
2003年 - ジョンズホプキンス大学ポール・H・ニッツェ高等国際関係大学院で修士号を取得。
2005年 - 文部科学省宇宙開発利用課課長補佐に就任。
2007年 - 在中国日本国大使館一等書記官に就任。
2010年 - 文部科学省大臣官房総務課課長補佐を経て、文部科学省副大臣秘書官に就任。
2012年12月 - 政界引退を表明した福島豊の後継として第46回衆議院議員総選挙に大阪府第6区から公明党公認候補で立候補し初当選。
遠山清彦(比例九州ブロック)
党役職:国際局長、宣伝局長、政務調査会副会長、沖縄方面議長、九州方面副議長
【学 歴】
1988年3月  私立創価高等学校卒業
1993年3月  創価大学法学部法律学科卒業
1994年12月  英国ブラッドフォード大学大学院平和学修士課程修了 平和学修士号取得
1998年12月  同大学院平和学博士課程修了。Ph.D.(平和学博士)取得
博士論文「戦争と責任:天皇と占領期日本における戦争責任論争」
【職 歴】
1995年9月-98年6月:英国リーズメトロポリタン大学非常勤講師
1999年2月-01年3月:宮崎国際大学専任講師(政治学・国際関係論)
2001年7月:第19回参議院議員選挙で初当選
2003年10月-2005年11月:厚生労働委員会理事
2005年11月-2006年9月:外務大臣政務官(第3次小泉内閣)
2007年7月:第21回参議院選挙で2期目の当選
2007年9月:参議院法務委員長
2010年4月:衆議院議員当選(比例九州・沖縄)
岡本三成(比例北関東ブロック)
1期目(2012年12月~)
1965年 5月5日生まれ
1988年  英国グラスゴー大学留学
1989年  創価大学卒業
1989年  シティバンク勤務
1998年  米国ケロッグ経営大学院修了    経営学修士号(MBA)取得
1998年  ゴールドマン・サックス証券勤務
2005年   同社 執行役員
2012年   衆議院議員に初当選